カテゴリ:みこころレター 第5号より

カトリック久留米教会誌 第5号

初めまして、そして、よろしく

主任司祭 宮崎 保司

 この度、久留米教会に任命された宮崎保司です。どうぞよろしくお願いいたします。私は、1951 年長崎市内の神ノ島で生まれました。28 歳の時に司祭に叙階され今年で司祭生活38 年目を迎えます。教区司祭でなく名古屋に本部を置く神言会という修道会に所属しています。これまで主に本州の教会で司牧に従事していましたので、九州地方の教会で働くのは初めてです。皆さまのお祈りとご協力に支えられて頑張っていきたいと思っています。

 私がいつも心に描き目標としているのは、一人の信者のために信者皆で、信者皆のために一人の信者が必要である教会共同体です。ラグビーでいうone forall、 all for oneの教会共同体作りです。ラグビーではありませんが、数年前、女子サッカーワールドカップで「撫子ジャパン」が優勝した時のチームプレーは素晴らしかったと思います。それまで、男子サッカーに比べてマイナーなイメージが強かった女子サッカーでしたが、今や、その人気は男子サッカーを凌駕したといえます。奇跡の優勝…などと、マスメディアは囃し立てましたが、人知れず黙々と練習に打ち込んだ彼女たちの努力が実った結果が、優勝を生んだといったほうが当を得ていると思います。

 スポーツ界では、個人(例えばテニス等)の競技と違ってチームワークで行う競技は信頼と尊重の上に成り立つといっても過言ではありません。たとえそのチームに何人ものスーパースターがいたとしても、個性と個性がぶつかっていては勝利には結びつきません。監督の指揮の元、各選手がそれぞれ互いの特性を尊重し、練習を積み重ねることによって阿吽の呼吸は生まれ、チームの士気は高まっていきます。西欧の選手たちに比べて小柄で見劣りのする彼女たちではありましたが、身長の差を粘りとチームワークの良さでカバーし、世界一の栄冠に輝いたことは歴史を塗り替えたと言ってもオーバーな表現ではないと思います。多くの人たちに感動と勇気を与えてくれた「撫子ジャパン」に、政府も団体としては初めての国民栄誉賞を授与しました。

 因みに、撫子の花言葉は、愛、やさしさ、無邪気、純粋…といわれています。

 ところで話は変わりますが、「撫子ジャパン」の活躍は私たち教会共同体にも一つヒントを与えてくれたように思います。教会は司祭だけで成り立つものでもなければ、特定の信者たちによって成り立つものでもありません。個人プレーではなく、チームワークプレーと言えます。

 教会共同体は信者同士の繋がり、協力、働きによって、発展していきます。各会の活動をはじめ、聖堂やトイレ、信徒会館の掃除、聖具や庭園の手入れ…等々、多くの信者たちの奉仕と犠牲に支えられていることを忘れてはいけないと思います。毎週日曜日のミサにだけ与っていれば良いと思い込んでいる人たちは、教会共同体の活動や奉仕に無関心であってはいけないことを、特に、心に銘記して欲しいと思います。

 第二バチカン公会議・教会憲章は次のように記しています。-教会とはキリストの神秘体であり、「一つのからだに多くの部分があり、すべての部分が同じ働きをしていないように、われわれも数は多いが、キリストにおける一つのからだであって~」-と。つまり、信者ひとり一人がone forall, all for one の意識を持って、教会共同体の活動に積極的に参加するように奨励しています。

 「主よ、主よと言うものが皆、天の国に入るのではない。」父のみ旨を行う者だけが入ることを常に覚え、久留米教会共同体の発展と一致のために積極的に寄与していただきたいと思います。


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